脈景

日本の空にはびっしりと幾何学的な線分が走っている。 それはあたかも体内の脈のように、国土の空全体を覆っている。 普遍的すぎて、見えていても見ていない「脈景」。 日本の繁栄とともに拡がってきた、緻密で生物的な「脈」は、 我々の家、街、社会を生かす生命線となっている。 もはや自存できず、絶えず養分の供給を受けなければ生きられない現実。 健全な日常の中には不健全性な事実が潜んでいる。


脈景〈みゃっけい〉 , 2013
インクジェットプリント 全30点より抜粋